「おうおうシラを切るんじゃねえ、このグレル〇ージが!!こちとらお前の悪事は見抜いてんだよ、てやんでいバーロー!!」
「お、おい待て!!なんで急に江戸っ子になんだ!それに俺はルイー〇じゃねえ、ハイジだ!っつかルイ〇ジはイヤだ、俺はマリ〇がいい!!」
「バカ言ってんじゃないよ、そんな緑の頭して〇リオがいいだって!?お前さんにゃ主役を張るなんざ百年早え、髪の毛赤にしてチョビヒゲ生やしてから出直してきな!!」
「ジョーダンじゃねえ、んなことしたらケイジと区別つかなくなんだろーが!!」
「あーもううるさい!帰れ帰れ、お前なんかアルプスにとっとと帰っちまえ!!」
「ムチャクチャだなお前!?」
余りに白々しいハイジの態度に、むかっ腹が立ってどうしようもなかった。
どこまで私を振り回せば、気が済むんだ。
私がむすっと黙り込む横で、ハイジは険しい顔をして自分のスマホを取り出した。しばらくいじっていると、突然目を見開き、画面に釘付けになっていた。
「……何だこりゃ……どうなってんだ。なんで勝手にこんなLIMEが……」
うわ言のようにぼそぼそと言葉を落とすハイジは、本気でLIMEのことを知らなかったみたいで。
その目に映っているのは、たぶん自分のスマホから私へと送られたであろう『例のメッセージ』のはず。
「昨日?昨日の夜、この時間帯俺何してた……?」
床を見つめ、独り言をつぶやきながら記憶を辿ろうとするハイジ。
私はただ、じっと疑惑の視線を投げるしかなかった。
ハイジのスマホからなのに、送り主はハイジじゃない。
じゃあ一体誰が?
誰がこんなイタズラを……?
待てよ。イタズラ?
イタズラ……
イタズラといえば……
「ああっ!わかった、あの人だ!!ぜってーそうだ!!」
私が“ある人物”を思い浮かべたのと、ハイジが叫んだのとほぼ同時だった。
もしかすると、私の勘は当たってるかもしれない。
「思い出したの?」
「おお。クロちゃんだ」
やっぱり!?
やっぱりタイガだったの!!?
当たってたじゃん、勘!!
っていうか何で!?何でアイツそんなことしたの!?

