Moon Venus

あたし自身、信じられないけど

部屋のクローゼットを整理していたこと

壁が変色していたから、確かめるために、クローゼットの中の物を全て出したこ



空っぽになったクローゼットに入って、変色した壁を触ったら、名前を呼ばれて
光があふれて


「…気付いたら……このベッドに…」


「…そうか」


クローディア自身も、自分の目で確かめたがシオンの瞳は茶色



「あたし…元の場所に戻れる?」


考え込んでいたクローディアにシオンが問い掛けた


「…それはっ……」


正直わからないとは言えなかった



言葉を濁すクローディアに帰れないことを悟ると、堪えたはずの涙がこぼれた


それを見たクローディアが椅子から降りて、詩音の前に膝を付いて詩音の両手を
握った

「シオンを返す方法必ず探すから…」


「……ありがと」


泣きながら、微笑んだ詩音を見てクローディアは、美しいと思った