Moon Venus

バスルームを出た途端、タイミング良くなり出したピピッ、ピピッという機械音


「っ!なんですかっ!?」


音を頼りに探ると、聞こえてきたのはあたしのバッグの中から

メリザ、あたしの後ろからバッグの中を覗いた


「…充電が……切れた」


機械音は紛れもなく、いつも聞き慣れた、充電が間も無く切れるというサインの



「なんですか?その物体は…」


「携帯電話っていうもの。あとで説明するよ」


バッグにあるはずもないよな―、と期待しないでバッグを漁ると、奇跡的にもあ
ったソレ


「花音っ!さすがっ!!」


この世界に来る前に、花音と買い物に行ったが、家を出る際に、このバッグは花
音が用意したものだったことを思い出す



花音はいつも、携帯の充電をフルにしていないあたしに、電池式の充電器を持つ
ように言われていたが、まさか入れてくれているとは…


充電器を携帯に差し込み、ベッドの傍らに置くと、もの珍しそうにメリザが携帯
を眺めていた


バッグの中には、あたしが入れ携帯と財布の他に、デジカメと……