Moon Venus

もしかして…っと思った二人だが、呆気らかんと目を丸くするシオンを見て、少
なからず、肩を下げた


「ちょっと目が乾いちゃって…ドライアイなんで…」


恥ずかしそうに言うシオンに

「聖水をお持ちしましょうか?」


メリザがシオンの傍を離れようとするのを見て、フランが

「私が持ってくるわ」

とバスルームを出ようとした


「あのっ!ついでにあたしのバッグもお願い出来ますか?」


それに返事をしたフランはバスルームを出た



「彼女の様子は?」


出てきたフランを見るなり、アレンはフランに問詰めた


「話しを聞くのは、まだ無理そうです。陛下、彼女がカバンを、と申したのです
が、お持ちしてもよろしいでしょうか?」


まだシオンのバッグの中身を確かめてはいないが、どう見ても刺客ではない彼女

フランにシオンのバッグを持っていくのを許可すると、フランは聖水とクローゼ
ットの中にあったバッグを持ってバスルームへ戻った