Moon Venus

「おいっ」


声をかけても反応しない詩音

それを見て、クローディアは詩音を抱き上げた


驚くほど軽い詩音を見て、顔をしかめた


黒い物体を持ち上げたクローディアを見て、外に居た者たちは、それの招待がや
っと人間だというのがわかったが、みな唖然とした


話せるまで近くに来たクローディアは

「使用人とオルトを、3階の客間に呼べ」


それを聞いて、外にいた数人がその場を後にした



「なんでパレスの中に…」

その場に残った騎士団長の一人アレンがクローディアがパレスから出た途端に駆
け寄った


「…女?」

「意識がないのか眠ってる。これに話しを聞くのは後だ。アレン、お前はこれの
見張りをしてくれ」

「わかった」