「クロフォード伯爵は今、仕事で王都に滞在しているんだ。せっかくだから『娘』に会いたいと登城をしてきたので、俺がロゼッタ嬢とは鉢合わせをしないように取り計らっている――というのが現状だ」
クローヴィスはセリーナの質問に答えてやる気はないらしく、まっすぐにロゼッタに向かって話しかけてくる。
「……もしかして、おせっかいだったかな?」
「いいえ。本当にありがとうございます、クローヴィス殿下」
ロゼッタは一度顔を上げた後、クローヴィスへ深々と頭を下げた。
(あの人が王都にいる)
そう思うだけで息が苦しくなる。同時に甲高い声がロゼッタの頭の中で響き渡り、全身を針金で強く縛り付けられるかのような感覚に襲われた。
けれど、クローヴィスの話から判断するに、ロゼッタとクロフォード伯爵が城内で遭遇することはないのだろう。クローヴィスには本当に感謝せねばならない。
クローヴィスはセリーナの質問に答えてやる気はないらしく、まっすぐにロゼッタに向かって話しかけてくる。
「……もしかして、おせっかいだったかな?」
「いいえ。本当にありがとうございます、クローヴィス殿下」
ロゼッタは一度顔を上げた後、クローヴィスへ深々と頭を下げた。
(あの人が王都にいる)
そう思うだけで息が苦しくなる。同時に甲高い声がロゼッタの頭の中で響き渡り、全身を針金で強く縛り付けられるかのような感覚に襲われた。
けれど、クローヴィスの話から判断するに、ロゼッタとクロフォード伯爵が城内で遭遇することはないのだろう。クローヴィスには本当に感謝せねばならない。



