「君が夜会で声をかけている男性たちは皆、資産家ばかりだものね」
「どうしてそんなことまでご存知なのですか?」
ロゼッタがたまらず声を上げる。助けを求めて隣を見るが、セリーナも困惑しきった表情を浮かべていた。いつのまにか彼の侍女たちは部屋からいなくなっているし、部屋には三人きりしかいない。ロゼッタの心臓がドクンと鳴った。
「好きな人のことを知りたいと思うのは当然だろう?」
「そんな……」
知られていた。……いや、調べられていた。
ならば、クローヴィスはすべてを知ったうえで、ロゼッタに声をかけていたのだろうか? 『お金至上主義』という特殊な価値観、資産家たちとの出会いを求めて足繁く夜会に通っていることをわかっていてなお、ロゼッタを結婚相手にと望まれていたとは信じがたいが……。
「どうしてそんなことまでご存知なのですか?」
ロゼッタがたまらず声を上げる。助けを求めて隣を見るが、セリーナも困惑しきった表情を浮かべていた。いつのまにか彼の侍女たちは部屋からいなくなっているし、部屋には三人きりしかいない。ロゼッタの心臓がドクンと鳴った。
「好きな人のことを知りたいと思うのは当然だろう?」
「そんな……」
知られていた。……いや、調べられていた。
ならば、クローヴィスはすべてを知ったうえで、ロゼッタに声をかけていたのだろうか? 『お金至上主義』という特殊な価値観、資産家たちとの出会いを求めて足繁く夜会に通っていることをわかっていてなお、ロゼッタを結婚相手にと望まれていたとは信じがたいが……。



