クローヴィスが席についたところで、食事会がはじまった。
「どうだろう? セリーナから聞いて、君が好きなものをたくさん準備してみたんだ」
「ありがとうございます、とても美味しいですわ」
普段から王族の食事を見ているロゼッタだが、見るのと食べるのとではやはり違う。ウィルバートに連れて行ってもらったレストランも素敵だったし、食事だって美味しかったものの、王室お抱えのシェフは特別なのだと思い知った。
とはいえ、ロゼッタの優先順位はオシャレ>食事であって、いいものを食べることはさほど重要ではない。これだけではクローヴィスの株は上がらないのだが。
「ところで、ロゼッタ嬢はどうしてセリーナの侍女に?」
「え? それは……」
ここで素直に「男漁りをするため」とこたえるわけにはいかない。ロゼッタは一瞬だけ考えてから、
「セリーナ殿下に心から敬服しており、お役に立ちたいと思ったからですわ」
と言う。が、その瞬間、セリーナがブフッと笑い声を漏らした。
(セリーナ殿下!)
視線を送って抗議すると、セリーナは「ごめんなさい」とつぶやきながら、瞳にたまった涙を拭う。
「どうだろう? セリーナから聞いて、君が好きなものをたくさん準備してみたんだ」
「ありがとうございます、とても美味しいですわ」
普段から王族の食事を見ているロゼッタだが、見るのと食べるのとではやはり違う。ウィルバートに連れて行ってもらったレストランも素敵だったし、食事だって美味しかったものの、王室お抱えのシェフは特別なのだと思い知った。
とはいえ、ロゼッタの優先順位はオシャレ>食事であって、いいものを食べることはさほど重要ではない。これだけではクローヴィスの株は上がらないのだが。
「ところで、ロゼッタ嬢はどうしてセリーナの侍女に?」
「え? それは……」
ここで素直に「男漁りをするため」とこたえるわけにはいかない。ロゼッタは一瞬だけ考えてから、
「セリーナ殿下に心から敬服しており、お役に立ちたいと思ったからですわ」
と言う。が、その瞬間、セリーナがブフッと笑い声を漏らした。
(セリーナ殿下!)
視線を送って抗議すると、セリーナは「ごめんなさい」とつぶやきながら、瞳にたまった涙を拭う。



