今日のロゼッタはマーメイドラインの紺色のドレスに、真珠のイヤリング、それからレースのストールを合わせている。化粧はブラウン系に、髪はハーフアップにして大人っぽく仕上げた。

 クローヴィスとは夜会で鉢合わせたことがないし、華やかにドレスアップしたロゼッタは知らないだろうが、侍女の制服を着ているときでもアクセサリーや化粧で自分のカラーをしっかりと出しているため、雰囲気が違って見えるのだろう。


「ああ。いつもの君も素敵だが、大人っぽく着飾ったロゼッタ嬢もすごく魅力的だよ」

「ありがとうございます! そう言っていただけて嬉しいですわ」


 客観的な意見が聞けるのは素直に嬉しい。ロゼッタは瞳を輝かせた。


(これなら、ウィルバート様のわたくしを見る目も少しは変わるかしら?)


 そう思うと、胸が少しだけドキドキする。ロゼッタは小さく息をついた。