『そう? 俺はすごくいい気分だよ。ロゼッタ嬢は本当に可愛いね』

「――言いたくありませんわ」


 ロゼッタは唇を尖らせつつ、ふいとそっぽを向いた。


「あらあら。珍しいこともあるものね。なんでも嬉々として教えてくれるあなたが……よほど悔しいことでもあったのかしら? お相手はまあまあ年上の男性でしょう? 違う?」

「――黙秘いたしますわ」


 眉間にシワを寄せるロゼッタに、セリーナはクスクスと笑い声をあげた。


「ロゼッタったらわかりやすい。本当に可愛いわね」


 その瞬間、ロゼッタはハッと目を見開く。それから頬を真っ赤に染め、ほんのりとうつむいた。