(嬉しい! そうなったらいいなって思ってましたけども、本当にプレゼントしてくださるなんて……!)


 ロゼッタは頬に両手を当て、ニヤけそうになるのを必死に堪えた。


「それから、他のドレスも城に届けてもらうように頼んでおいたよ」

「他のドレスも? そ、そんな! よろしいのですか?」


 まるで文房具でも買ってやったかのような軽やかな口調。だが、ロゼッタが試着したドレスの値段は数百万はくだらないはずだ。お金が大好きなロゼッタでも躊躇してしまうのは当然だろう。王女であるセリーナですら、こんなにいっぺんにドレスを新調したりしないのに。


「もちろん。ロゼッタ嬢にプレゼント」


 ウィルバートが笑う。ロゼッタは叫びだしそうになるのを必死にこらえ「ありがとうございます!」と口にした。