「ありがとうございます、ウィルバート様。こんな形でフェルミエのドレスを楽しむことができて、感無量ですわ」

「俺が着飾ったロゼッタ嬢を見たかっただけだよ。だけど、喜んでもらえてよかった。……うん、やっぱりこのドレスが一番だな」


 ウィルバートはそう言って、ロゼッタの髪をそっと撫でる。ドキッと胸をときめかせつつ、ロゼッタは思わず視線をそらした。


「あの……」

「それじゃあ次の場所に行こうか」


 ウィルバートはロゼッタの腰を抱き、店員にそっと目配せをする。


「けれど着替えが……」

「そのドレスはもう、ロゼッタ嬢のものだよ」


 ニコリと、余裕たっぷりに微笑まれ、ロゼッタは「まあ……!」と瞳を輝かせる。