***
「いらっしゃいませ、ヴァンス様」
店先に並んだ従業員たちが一斉に恭しく頭を下げる。美しいショーウィンドウ。高級感あふれる展示物に、おいそれとは入れない雰囲気の店構え。
(あ、あぁ……!)
ロゼッタの胸がトクントクンと大きく跳ねる。
それもそのはず。この店は国中の乙女が憧れる超高級ブランド、フェルミエだ。
セリーナのドレスを作ってもらうため、デザイナーや職人と何度も会ったことがあるが、自分が客として来るのははじめてのこと。興奮せずにはいられない。
「本日はお連れ様がいらっしゃるとお聞きしてましたが、ロゼッタ様でいらっしゃったのですね」
「ああ、彼女のことを知っているんだね?」
「もちろんでございます。セリーナ殿下のドレスを仕立てるために城におうかがいする際、いつもお世話になっておりますから」
店員はそう言って、ロゼッタに向かって恭しく頭を下げる。ロゼッタはそっと瞳を細めた。
「こちらこそ、フェルミエの皆様にはいつもお世話になっております。殿下のドレスはどれも素敵なものばかりで、いつも惚れ惚れしております。これぞ姫君の身につけるドレスだと……」
「今日はロゼッタ嬢が俺にとってのお姫様だよ」
「まあ……!」
ふわりとその場で跪かれ、店員たちと一緒になって頬を染める。
「それじゃあ行こうか」
「はい」
ロゼッタはウィルバートに導かれ、店の中へと入った。
「いらっしゃいませ、ヴァンス様」
店先に並んだ従業員たちが一斉に恭しく頭を下げる。美しいショーウィンドウ。高級感あふれる展示物に、おいそれとは入れない雰囲気の店構え。
(あ、あぁ……!)
ロゼッタの胸がトクントクンと大きく跳ねる。
それもそのはず。この店は国中の乙女が憧れる超高級ブランド、フェルミエだ。
セリーナのドレスを作ってもらうため、デザイナーや職人と何度も会ったことがあるが、自分が客として来るのははじめてのこと。興奮せずにはいられない。
「本日はお連れ様がいらっしゃるとお聞きしてましたが、ロゼッタ様でいらっしゃったのですね」
「ああ、彼女のことを知っているんだね?」
「もちろんでございます。セリーナ殿下のドレスを仕立てるために城におうかがいする際、いつもお世話になっておりますから」
店員はそう言って、ロゼッタに向かって恭しく頭を下げる。ロゼッタはそっと瞳を細めた。
「こちらこそ、フェルミエの皆様にはいつもお世話になっております。殿下のドレスはどれも素敵なものばかりで、いつも惚れ惚れしております。これぞ姫君の身につけるドレスだと……」
「今日はロゼッタ嬢が俺にとってのお姫様だよ」
「まあ……!」
ふわりとその場で跪かれ、店員たちと一緒になって頬を染める。
「それじゃあ行こうか」
「はい」
ロゼッタはウィルバートに導かれ、店の中へと入った。



