「まあ! 殿下は本当に優秀な方しかそばに置かないと有名だから……」
「あなたの年齢で殿下に引き立てられるなんて、本当にすごいことよ」
「将来は宰相かしら?」
ロゼッタの目論見も虚しく、夫人たちのライノアへの好印象は変わらない。皆、関心を失うどころか興味津々だ。
「今ね、ロゼッタ嬢のお相手にライノア様がいいんじゃないかって話していたの」
「僕が……ですか?」
返事をしつつ、ライノアがふっと小さく笑う。ロゼッタは思わず目を見開いた。
(まさか、ライノア様はここでわたくしの本性をバラすおつもりなのでは!?)
二度目ましての際、ロゼッタはライノアに対して「興味がない」とはっきり言い放った。自分には金が全てなのだと主張してはばからなかった。それ自体はなんら恥じることはないけれど、夫人たちに対してその事実を明かしてほしくはない。もちろん、彼女たちはすでにロゼッタがどういう価値観で動いているか気づいているのだけど……。
「あなたの年齢で殿下に引き立てられるなんて、本当にすごいことよ」
「将来は宰相かしら?」
ロゼッタの目論見も虚しく、夫人たちのライノアへの好印象は変わらない。皆、関心を失うどころか興味津々だ。
「今ね、ロゼッタ嬢のお相手にライノア様がいいんじゃないかって話していたの」
「僕が……ですか?」
返事をしつつ、ライノアがふっと小さく笑う。ロゼッタは思わず目を見開いた。
(まさか、ライノア様はここでわたくしの本性をバラすおつもりなのでは!?)
二度目ましての際、ロゼッタはライノアに対して「興味がない」とはっきり言い放った。自分には金が全てなのだと主張してはばからなかった。それ自体はなんら恥じることはないけれど、夫人たちに対してその事実を明かしてほしくはない。もちろん、彼女たちはすでにロゼッタがどういう価値観で動いているか気づいているのだけど……。



