「それはよかった。皆様素敵な女性ばかりだから、きっと貴重な話がたくさん聞けると思うわ」
「ええ、それはもう! どうぞよろしくお願いいたします」
ロゼッタは公爵夫人からの紹介を経て、招待客の輪に入った。
夫人たちの話といえば、自分が若かった頃の苦労話や、夫の愚痴、それから若い人への説教のようなものが大半だったが、ロゼッタはそれらすべてに熱心に耳を傾け、称賛の声を上げ、ひたすらメモを取っていく。
「ロゼッタ嬢は優しいのね。うちの娘は最近わたくしの話にちっとも興味を持ってくれないのよ?」
「そうなんですの? なんてもったいない……! わたくしでしたら本当にありとあらゆることをお尋ねしたいと思いますのに」
「あら嬉しい」
己の話を楽しそうに聞いてくれるロゼッタの姿は、彼女たちの瞳に好意的にうつったらしい。年齢は二周り以上違うけれど、茶会中、終始可愛がってもらえた。これ幸いとばかりに、ロゼッタは彼女たちに質問を投げかけまくる。
「旦那さまと出会ったのはいつ、どこで、どんなタイミングだったのですか?」
「旦那さまをお選びになった決め手はなんでしたの?」
「どんな一手が旦那さまの心を射止めましたの?」
「ドレスは、髪型は、お化粧は、香水はどんなものがよろしいのでしょうか?」
「皆様のモーニングルーティーンを教えていただけませんか?」
「趣味は? 学ぶべき知識は? 今行っておくべき場所は?」
ここまであけすけに聞かれては、ロゼッタがお茶会に来た目的は一目瞭然だ。けれど、不思議と悪い気はしない。己の欲望に忠実で、けれどあまりにも勉強熱心なロゼッタは、一周回って可愛く感じられた。
「ええ、それはもう! どうぞよろしくお願いいたします」
ロゼッタは公爵夫人からの紹介を経て、招待客の輪に入った。
夫人たちの話といえば、自分が若かった頃の苦労話や、夫の愚痴、それから若い人への説教のようなものが大半だったが、ロゼッタはそれらすべてに熱心に耳を傾け、称賛の声を上げ、ひたすらメモを取っていく。
「ロゼッタ嬢は優しいのね。うちの娘は最近わたくしの話にちっとも興味を持ってくれないのよ?」
「そうなんですの? なんてもったいない……! わたくしでしたら本当にありとあらゆることをお尋ねしたいと思いますのに」
「あら嬉しい」
己の話を楽しそうに聞いてくれるロゼッタの姿は、彼女たちの瞳に好意的にうつったらしい。年齢は二周り以上違うけれど、茶会中、終始可愛がってもらえた。これ幸いとばかりに、ロゼッタは彼女たちに質問を投げかけまくる。
「旦那さまと出会ったのはいつ、どこで、どんなタイミングだったのですか?」
「旦那さまをお選びになった決め手はなんでしたの?」
「どんな一手が旦那さまの心を射止めましたの?」
「ドレスは、髪型は、お化粧は、香水はどんなものがよろしいのでしょうか?」
「皆様のモーニングルーティーンを教えていただけませんか?」
「趣味は? 学ぶべき知識は? 今行っておくべき場所は?」
ここまであけすけに聞かれては、ロゼッタがお茶会に来た目的は一目瞭然だ。けれど、不思議と悪い気はしない。己の欲望に忠実で、けれどあまりにも勉強熱心なロゼッタは、一周回って可愛く感じられた。



