「ライノア様ったら、なにを言っていらっしゃるのです!? いただけるものはありがたく頂戴する! これは人生の鉄則ですわ! ということで、トゥバルト様のご厚意、ありがたく頂戴いたします! 本当に、ありがとうございます!」


 ロゼッタはライノアから宝石を遠ざけると、キラキラした瞳で太陽に掲げ崇めた。


「……まあ、ロゼッタ様ならそう言うと思ってましたが、さっきは持参するものを厳選したとか、身軽でいたい気分だと言っていたのに」

「それはそれ、これはこれです! だって、わたくしはなにより、お金を心の底から愛しておりますのよ?」


 ロゼッタの言葉に、その場にいた全員が噴き出す。


「それでこそ、ロゼッタよね!」


 クロエの言葉に、ロゼッタは満面の笑みを浮かべるのだった。