「後悔して、取り寄せることになるんじゃありませんか?」

「そうかもしれないけど! いいじゃない! 今のわたくしはこういう気分なの! まっさらな気持ちで新生活をはじめたいというわたくしの気持ちに水をささないでちょうだい!」


 ロゼッタが頬をふくらませる。ライノアはそっと目を細めた。


「あーあ、まさかロゼッタのほうが先に城からいなくなるとはね」


 見送りにやってきたクロエがロゼッタを小突く。


「結婚式に来てくれるっていう約束、忘れないでよ?」

「ええ、もちろん! なにがあっても参りますわ」


 ロゼッタはクロエと手を取り笑いあった。


「ロゼッタ!」


 とそのとき、セリーナとクローヴィス、トゥバルトが一緒になってやってくる。ロゼッタは三人に向かって頭を下げた。