「ようやく俺に会いに来てくれたね」


 クローヴィスはそう言って悲しそうに笑う。どうやら、ロゼッタの決断に気づいているらしい。ロゼッタは深々と頭を下げた。


「クローヴィス殿下には本当に申し訳ないと思っています。けれど……」

「俺じゃダメなの?」


 クローヴィスはそう言ってロゼッタの側へとやってくる。それからロゼッタを強く抱きしめた。


「ずっと――ずっと好きだった」

「クローヴィス殿下」


 ロゼッタは静かに息を呑み「ごめんなさい」と伝える。