王女であるセリーナのもとには、ひっきりなしに令嬢たちが挨拶へとやってきた。社交界に出始めたばかりの若い令嬢にとって、セリーナの侍女というのは憧れのポジションだ。彼女たちからはセリーナだけでなくロゼッタにも羨望の眼差しが向けられていた。
タイミングを見計らって会話を切り上げ、できるだけたくさんの人と交流を持つ。やがて、挨拶をしに来たのが令嬢ではなくセリーナの結婚候補者たちに切り替わったタイミングで、ロゼッタはセリーナに目配せをしてからその場を後にした。ロゼッタがいたままでは男性陣の気が散る可能性があるため、事前にそうしようと打ち合わせておいたのだ。
(さてと、これからどうしましょう?)
仕事として出席しているので、積極的に男性と交流をする気はない。というより、ロゼッタはもう新規開拓をやめたのだ。
今夜クロエは裏方として働いているので会場にいないし、一緒に回るような女性は他にいない。壁の花に徹しようと決めたそのときだった。
「本当に恥知らずな小娘ね」
と、背後から冷たい声が浴びせられる。
振り向くまでもない――声の主はアバルディアだった。
「セリーナ殿下はどうしてこんな娘を側に置くのかしら? こんな下品なアバズレを侍女として採用するなんて、王家にとって大きな損失だわ」
「そうよそうよ!」
アバルディアの隣には彼女の娘――ロゼッタにとって義理の妹がおり、ロゼッタに向かって嘲るような笑みを浮かべている。
タイミングを見計らって会話を切り上げ、できるだけたくさんの人と交流を持つ。やがて、挨拶をしに来たのが令嬢ではなくセリーナの結婚候補者たちに切り替わったタイミングで、ロゼッタはセリーナに目配せをしてからその場を後にした。ロゼッタがいたままでは男性陣の気が散る可能性があるため、事前にそうしようと打ち合わせておいたのだ。
(さてと、これからどうしましょう?)
仕事として出席しているので、積極的に男性と交流をする気はない。というより、ロゼッタはもう新規開拓をやめたのだ。
今夜クロエは裏方として働いているので会場にいないし、一緒に回るような女性は他にいない。壁の花に徹しようと決めたそのときだった。
「本当に恥知らずな小娘ね」
と、背後から冷たい声が浴びせられる。
振り向くまでもない――声の主はアバルディアだった。
「セリーナ殿下はどうしてこんな娘を側に置くのかしら? こんな下品なアバズレを侍女として採用するなんて、王家にとって大きな損失だわ」
「そうよそうよ!」
アバルディアの隣には彼女の娘――ロゼッタにとって義理の妹がおり、ロゼッタに向かって嘲るような笑みを浮かべている。



