「セリーナ殿下」
「さっきから何人もの男性がロゼッタに熱視線を送っていたわよ」
「ありがとうございます。……ずっと、そうなるように努力してきましたから」
今夜のロゼッタはセリーナと同じ色合い、同じコンセプトの、グレードを落としたドレスを着ている。他の侍女たちもおそろいだ。ひと目でセリーナの侍女だとわかるようにそういうドレスを着ているわけだが、磨き抜かれた美貌の前ではドレスの質は問題ではないらしい。セリーナは小さくため息をついた。
「この調子だとあなたの結婚希望者は後を立たなさそうね。わたくしとしては、そろそろうちのお兄様に決めてほしいところだけど」
そう言ってセリーナはちらりとクローヴィスを見る。
クローヴィスは令嬢たち数人に取り囲まれていた。兄弟たちの中で一番見目麗しく、婚約者もいないクローヴィスは人気者だ。彼の結婚相手になりたいと願っている女性がこんなにもたくさんいることを目の当たりし、ロゼッタはへぇと息を呑む。
「クローヴィス殿下ったら、モテモテですわねぇ」
「モテモテですわねぇって……そのモテ男はあなたがいいって言ってるんだから、こたえてあげてもいいんじゃない?」
この一カ月、二人の結婚について黙ってきた分、セリーナはここぞとばかりにクローヴィスを勧めてくる。
「そうですわね……」
クローヴィスはきっと、ロゼッタのことを幸せにしてくれるだろう。先日もウィルバートからロゼッタを守ってくれたし、ロゼッタを心から愛してくれる。それはわかっているのだが――
「さっきから何人もの男性がロゼッタに熱視線を送っていたわよ」
「ありがとうございます。……ずっと、そうなるように努力してきましたから」
今夜のロゼッタはセリーナと同じ色合い、同じコンセプトの、グレードを落としたドレスを着ている。他の侍女たちもおそろいだ。ひと目でセリーナの侍女だとわかるようにそういうドレスを着ているわけだが、磨き抜かれた美貌の前ではドレスの質は問題ではないらしい。セリーナは小さくため息をついた。
「この調子だとあなたの結婚希望者は後を立たなさそうね。わたくしとしては、そろそろうちのお兄様に決めてほしいところだけど」
そう言ってセリーナはちらりとクローヴィスを見る。
クローヴィスは令嬢たち数人に取り囲まれていた。兄弟たちの中で一番見目麗しく、婚約者もいないクローヴィスは人気者だ。彼の結婚相手になりたいと願っている女性がこんなにもたくさんいることを目の当たりし、ロゼッタはへぇと息を呑む。
「クローヴィス殿下ったら、モテモテですわねぇ」
「モテモテですわねぇって……そのモテ男はあなたがいいって言ってるんだから、こたえてあげてもいいんじゃない?」
この一カ月、二人の結婚について黙ってきた分、セリーナはここぞとばかりにクローヴィスを勧めてくる。
「そうですわね……」
クローヴィスはきっと、ロゼッタのことを幸せにしてくれるだろう。先日もウィルバートからロゼッタを守ってくれたし、ロゼッタを心から愛してくれる。それはわかっているのだが――



