婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!

「クローヴィス殿下」


 ロゼッタが返事をすると、ウィルバートが驚いた表情で数歩後ずさった。


「今日はこれから俺とデートの約束だろう?」


 クローヴィスがそう言ってウィルバートをちらりと見る。お金は持っていれども、王族と顔を合わせる機会など当然なかったウィルバートは恐縮した様子で、クローヴィスに向かって頭を下げた。


(クローヴィス殿下とデートの約束なんて、当然していないけれど)


 クローヴィスなりにロゼッタを助けようとしているのだろう。ロゼッタは小さく笑ってから、クローヴィスの腕を取った。


「申し訳ございません、殿下。知り合いに声をかけられたものですから」

「知り合い……ね」


 クローヴィスの視線を感じたウィルバートはゴクリと息を呑む。