婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!

(だけど)


 もしもあの夜にライノアがいてくれなかったら――ロゼッタは今、こんな気持ちでウィルバートに向き合えていなかったかもしれない。ロゼッタはゆっくりとウィルバートを見上げた。


「男性の価値はお金で決まりますの。わたくしはウィルバート様のお金に惹かれてあなたに近づいただけなのです」

「つまり、今の俺はロゼッタ嬢にとって価値がない、と?」

「有り体に言えばそういうことですわ」


 ロゼッタの返事に、ウィルバートは傷ついた表情を浮かべる。
 もしも――もしもあの夜、ウィルバートがアバルディアではなくロゼッタを優先してくれていたら、ロゼッタのこたえは全く違うものになっていただろう。けれど、時間を戻すことは誰にもできない。二人の道は完全に分かたれたのだ。


「だけど――」

「遅いじゃないか、ロゼッタ嬢」


 と、誰かがロゼッタの肩を叩く。