婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!

「謙遜をなさらないで。あなたがわたくしに教えてくださったことですわ」


 ロゼッタがそう言い放つと、ウィルバートは悔しげに眉間にシワを寄せる。ロゼッタはふっと目元を和らげた。


「それに、ウィルバート様と一緒にいても、わたくしにメリットがございませんもの。もしもアバルディアから手を回されてウィルバート様が事業に失敗したとしたら、お金がなくなってしまうでしょう? わたくし、お金のないあなたには興味がないのですわ」

「なっ……」


 ウィルバートはショックを受けたらしく、あんぐりと口を開けながらロゼッタを凝視している。


「だけど、ロゼッタ嬢は俺のことを好いてくれていただろう?」

「なにをおっしゃいますやら。わたくしが好きなのは――愛しているのはお金だけですわ」


 ――嘘だ。
 本当はロゼッタはウィルバートのことが好きだった。
 けれどそれは、完全に過去の出来事になっていて、今ではなんの感情も抱いてない。