ロゼッタは以前からクローヴィスのことが苦手だった。
第一の理由は彼が王族であること。王族というのは金持ちの最たるもののように思えるが、実際のところ、自由に使えるお金が極端に少ない。つまり、クローヴィスはロゼッタのお相手にはなりえないのだ。
第二に、クローヴィスの距離感があまりにも近すぎることがあげられる。彼はやたらめったらロゼッタに触れてくるし、しょっちゅう口説こうとしてくる。ロゼッタは自身がガツガツしているせいか、相手から迫られることにめっぽう弱いのだ。
しかも、相手が王族であるからたちが悪い。はっきりと拒絶することもできず、かといって受け入れるわけにもいかず、曖昧な対応をせざるを得ないのである。
「ロゼッタ嬢は今日も可愛いね」
「ありがとうございます」
そりゃあ、金持ちに気に入ってもらうために毎日気合を入れて準備をしているのだ。可愛くないはずがない。美容法の研究だって余念がないし、褒められて当然だとロゼッタは内心で思う。
「もっとゆっくり話してみたいな。今夜一緒に食事でもどう?」
「ありがとうございます。けれど……今夜はクロエと約束(夜会通い)があって……」
また誘ってください、と続けようとしたものの、ロゼッタはクローヴィスにガシッと手を握られる。
第一の理由は彼が王族であること。王族というのは金持ちの最たるもののように思えるが、実際のところ、自由に使えるお金が極端に少ない。つまり、クローヴィスはロゼッタのお相手にはなりえないのだ。
第二に、クローヴィスの距離感があまりにも近すぎることがあげられる。彼はやたらめったらロゼッタに触れてくるし、しょっちゅう口説こうとしてくる。ロゼッタは自身がガツガツしているせいか、相手から迫られることにめっぽう弱いのだ。
しかも、相手が王族であるからたちが悪い。はっきりと拒絶することもできず、かといって受け入れるわけにもいかず、曖昧な対応をせざるを得ないのである。
「ロゼッタ嬢は今日も可愛いね」
「ありがとうございます」
そりゃあ、金持ちに気に入ってもらうために毎日気合を入れて準備をしているのだ。可愛くないはずがない。美容法の研究だって余念がないし、褒められて当然だとロゼッタは内心で思う。
「もっとゆっくり話してみたいな。今夜一緒に食事でもどう?」
「ありがとうございます。けれど……今夜はクロエと約束(夜会通い)があって……」
また誘ってください、と続けようとしたものの、ロゼッタはクローヴィスにガシッと手を握られる。



