「それで? 僕への贈り物は今この場に持ってきていらっしゃらないんですか?」
「あるわけないでしょう? あれはまあまあ高価なものですし、理由もなく王太子殿下の執務室に行くのも難しいから持ち歩きませんわ」
「別に、いつでも来ればいいじゃありませんか。最初の頃は、遠慮なく僕に会いに来ていたでしょう?」
「あれはマルクル様の反応を知るためであって、あなたに会いに行ったわけでは……」
そこまで会話を続けてから、ロゼッタはハッとしてクロエを見る。クロエは困ったように笑っていて、なんだか申し訳なくなってしまった。
「わたくし、部屋まで取りに行ってきますわ。まだ休憩時間はございますし、それまで二人でお話していてくださいな」
ロゼッタはそう言うと、脱兎のごとくその場を後にする。
「あるわけないでしょう? あれはまあまあ高価なものですし、理由もなく王太子殿下の執務室に行くのも難しいから持ち歩きませんわ」
「別に、いつでも来ればいいじゃありませんか。最初の頃は、遠慮なく僕に会いに来ていたでしょう?」
「あれはマルクル様の反応を知るためであって、あなたに会いに行ったわけでは……」
そこまで会話を続けてから、ロゼッタはハッとしてクロエを見る。クロエは困ったように笑っていて、なんだか申し訳なくなってしまった。
「わたくし、部屋まで取りに行ってきますわ。まだ休憩時間はございますし、それまで二人でお話していてくださいな」
ロゼッタはそう言うと、脱兎のごとくその場を後にする。



