婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!

(馬鹿らしい)


 結局世の中はお金がすべてなのだ。ロゼッタはお金に負けて、幸せになれることはない。どれだけ頑張っても、たとえ資産家と結婚できたとしても、一生満たされることはないだろう。もしかしたら、アバルディアに妨害されて、結婚すら叶わないかもしれない。そう思うと、これまでしてきたことがすべて無駄だったように思えてきて、涙がちっとも止まらなかった。


「――なにをしているんですか? こんなところにいたら風邪を引きますよ」


 と、ぶっきらぼうな言葉とともに、頭の上に布の感触が降ってくる。質のいい絹の肌触り。どうやら上着をかけてくれたらしい。


「ライノア様」


 顔をあげなくても声でわかる。ロゼッタはライノアが自分の隣に腰掛けるのを感じつつ、腕でグジグジと目を拭った。


「なんであなたが来るんですか」

「僕ですみませんね。だけど、一人にしとくのも心配だったので」


 ロゼッタの非難するような口調をサラリとかわし、ライノアは淡々とそう返事をする。