「素敵ですわ!」

「ありがとう。ロゼッタ嬢もそういう生活がお好みかな?」

「ええ、もちろん。理想的だと思いますわ」


 顔を背けたまま返事をすると、ウィルバートがロゼッタの肩にそっと触れる。ビクリと体を震わせたら、彼はクックッと小さく笑った。


「……ウィルバート様」

「失礼。ロゼッタ嬢は本当に可愛いね」


 恨めしそうなロゼッタに対し、ウィルバートはとても楽しそうだ。


(ああ、わたくしは――)


 ドキドキと早鐘を打つ心臓と向き合いながら、ロゼッタはウィルバートを見つめ続けた。