「――だって、ウィルバート様が一番自由にお金を使わせてくれそうですし」

「でも、資産額で言ったらトゥバルト様のほうが上でしょう?」

「大人の包容力を感じますし」

「婚活対象者は全員年上じゃない」

「カッコいいですし」

「そんなこと言ったら、国一番の美丈夫と名高いクローヴィス殿下のファンに怒られるわよ」


 ロゼッタが言い訳をするたびに、クロエがすぐに封殺する。ロゼッタはムッと唇を尖らせた。


「そろそろ認めたら? ウィルバート様から手紙の返事が来たときのロゼッタ、めちゃくちゃ乙女で可愛かったわよ?」

「なっ……! そんなこと、ありませんわ」


 その瞬間、ロゼッタは顔を真っ赤に染め、ふいっと視線を逸らしてしまう。クロエはふふっと笑いながら、ロゼッタの肩に両手を置いた。