(わたくしなら飛び跳ねて喜ぶのに)


 トゥバルトと一緒に土産物を選んでいたロゼッタは、これらの品物にどれだけお金がかかっているかを知っている。愛情=お金という価値観を持つロゼッタには、トゥバルトがどれほどフローリアを大切に思っているか、愛しているかをわかっていた。


(けれど、フローリア様が求めているものはお金じゃないのよね)


 そう思いながら、ロゼッタは思わず笑ってしまう。
 お金を求めずにいられるなんて、なんて羨ましいのだろう。持っている人間だからこそ、そんなふうに思えるのだ。ロゼッタにはきっと、一生縁のない話だろう。

 けれど、そんなロゼッタだからこそ、わかることもある。


「もうおわり?」


 フローリアの反応を見ながら困ったように笑うトゥバルトを見つめつつ、ロゼッタは静かに身を乗り出した。