(当然よね)


 ロゼッタは苦笑を漏らしつつ、胸にそっと手を当てた。


「フローリア、そういう態度はよくないよ」

「トゥバルト様、わたくしは構いませんわ。お願いですから、フローリア様を咎めないでください」

「しかし……」


 ロゼッタがトゥバルトを見つめる。いつになく真剣なその表情にたじろぎつつ、トゥバルトは「わかったよ」と返事をした。


「お土産って?」


 と、どうやら部屋の中に入ることは許されたようで、フローリアはドアをそっと開けて、二人を迎え入れてくれる。


「ああ、喜んでくれるといいのだが」


 トゥバルトがそう言うと、後ろに控えていた使用人たちが大きな箱をフローリアの部屋へと運び込む。フローリアは特に驚くでもなく、その様子を受け入れていた。普段からこうしてたくさん贈り物をされることに慣れているのだろう。