「……誰?」


 と、フローリアが怪訝な声を上げる。ロゼッタはハッと我に返った。


「お父様のお友達だよ。ロゼッタ嬢というんだ」

「ロゼッタ嬢? お友達?」


 警戒心をあらわに、フローリアはドアの後ろに半分隠れてしまう。ロゼッタはフローリアの目線の高さにかがむと、そっと目を細めた。


「はじめまして、フローリア様。わたくしはロゼッタというの。仲良くしていただけると嬉しいんだけど」

「……はじめまして」


 事前に予想をしていたものの、ロゼッタの存在は受け入れ難いらしい。