(クロエったら、いつの間にかライノア様へのアプローチを進めていたのね)
隣国へ行く前は、二人の仲が進展している様子はなかった。おそらくは、ロゼッタがいない間にクロエが猛アプローチをかけていたのだろう。
以前クロエは、ライノアの家で匿ってもらった際に『結構本気』だと言っていたものの、ロゼッタは少しだけ信じられなかった。心のどこかで、クロエは自分と同じ価値観を持っているから、恋愛感情を軸に動かないだろうと思っていたのだ。
けれど今、クロエはロゼッタとは違う道を進もうとしている。お金ではなく恋愛感情を優先して結婚を――幸せになろうとしているのだ。
(あんなにたくさん一緒に夜会に出席したのに)
クロエと二人で、お金の話をするのが大好きだった。男性の品定めをしながら、自分の将来の生活を夢見ることが楽しかった。
けれど、そう思っていたのはロゼッタだけで、クロエは違っていたのかもしれない。
「そんなことを言ってくださるのはクロエ嬢だけです。ロゼッタ嬢ならきっと『あなたのお話はつまらない』と吐き捨てるでしょうし、もっと〜すべきだと説教を食らうでしょうから」
と、なぜか話題が自分のことになり、ロゼッタは思わずドキッとする。こんなところでロゼッタを引き合いに出さなくてもいいではないか、と。
隣国へ行く前は、二人の仲が進展している様子はなかった。おそらくは、ロゼッタがいない間にクロエが猛アプローチをかけていたのだろう。
以前クロエは、ライノアの家で匿ってもらった際に『結構本気』だと言っていたものの、ロゼッタは少しだけ信じられなかった。心のどこかで、クロエは自分と同じ価値観を持っているから、恋愛感情を軸に動かないだろうと思っていたのだ。
けれど今、クロエはロゼッタとは違う道を進もうとしている。お金ではなく恋愛感情を優先して結婚を――幸せになろうとしているのだ。
(あんなにたくさん一緒に夜会に出席したのに)
クロエと二人で、お金の話をするのが大好きだった。男性の品定めをしながら、自分の将来の生活を夢見ることが楽しかった。
けれど、そう思っていたのはロゼッタだけで、クロエは違っていたのかもしれない。
「そんなことを言ってくださるのはクロエ嬢だけです。ロゼッタ嬢ならきっと『あなたのお話はつまらない』と吐き捨てるでしょうし、もっと〜すべきだと説教を食らうでしょうから」
と、なぜか話題が自分のことになり、ロゼッタは思わずドキッとする。こんなところでロゼッタを引き合いに出さなくてもいいではないか、と。



