本当は、自分に縋るクローヴィスを愚かだと突っぱねれば済む話なのだ。本人からどれだけ断らないでほしいと言われても、価値観の違いばかりはどうしようもないと、はっきり断ってしまえばいい。
それができずにいるのは、自分が幸せになれる道がひとつではないと――お金以外のものに価値を見出しはじめているからなのかもしれない。
(そんなはず、ない)
口先だけの愛情にはなんの意味も価値もない。そんなこと、ロゼッタが一番よく知っている。そうでなければ、幼い頃のロゼッタは幸せだったはずだ。こんなふうに苦しんでいないはずだ。
「クローヴィス殿下、わたくしが欲しいのはお金だけです。殿下がわたくしにお金を約束してくださる限り、わたくしはあなたを拒絶はしません」
それができずにいるのは、自分が幸せになれる道がひとつではないと――お金以外のものに価値を見出しはじめているからなのかもしれない。
(そんなはず、ない)
口先だけの愛情にはなんの意味も価値もない。そんなこと、ロゼッタが一番よく知っている。そうでなければ、幼い頃のロゼッタは幸せだったはずだ。こんなふうに苦しんでいないはずだ。
「クローヴィス殿下、わたくしが欲しいのはお金だけです。殿下がわたくしにお金を約束してくださる限り、わたくしはあなたを拒絶はしません」



