婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!

「よかった。実は、遠征に行くたびにフローリアへお土産を用意するんだが、あまり喜んでもらえなくて」

「まあ……これまではどんなものをご用意なさっていたのですか?」

「ありとあらゆるものだよ。ドレスや靴、カバンやリボン、ぬいぐるみ、他にも色々……。けれど、どれをあげても、娘は困ったように笑うんだ」

「そうでしたか」


 フローリアのことを思い浮かべているのだろう。トゥバルトは今、とても優しい表情で笑っている。


「娘さんのことを、心から愛していらっしゃるんですね」

「もちろんそうだ! 親ならみな、同じ気持ちなんじゃないか?」

「――トゥバルト様は幸せですね」


 ロゼッタは曖昧に微笑みながら、心のなかでため息をつく。