婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!

「まあ……!」


 中身はパーティー用の豪華なドレスだった。ロゼッタによく似合う濃いめのピンク色のシルク地に、レースや刺繍がふんだんにあしらわれている。


「今夜のパーティーに着ていくといい」

「わたくしが、ですか? けれど……」

「美しい侍女を連れていることは、セリーナの評判にもつながるだろう? もちろん、セリーナも了承済みの話だ」


 ロゼッタがチラリとセリーナを振り返る。セリーナはうなずきつつ、照れたように微笑んだ。


「ありがとうございます。まさか、そんなことを考えていらっしゃったとは……」

「少しは驚いてもらえたかな?」


 クローヴィスがロゼッタの手を握る。ロゼッタは思わずドキッとした。