「ようこそいらっしゃいました」
王城に着くと、文官が一行を出迎えてくれた。ロゼッタと同じ年頃の、若く美しい男性だ。
落ち着いた雰囲気、きちっとした着こなしなど、どことなくライノアに似ている。けれど、こちらの男性のほうが洒落っ気があるし、目に野心が宿っている。将来大物になるタイプだとロゼッタは感じた。
「担当文官のバルデマーと申します。長旅でお疲れでしょう? 滞在期間中にお過ごしいただくお部屋にご案内させていただきます」
バルデマーはセリーナやクローヴィスと談笑しながら、城内を案内してくれた。明るく社交的なことに加え、王子様のようなルックス。バルデマーは仕事ができるし、モテるに違いない。ほんの数分のうちに、ロゼッタは自分の直感が正しかったことを確信する。もしも彼が外国人でなければ、その将来性を買って、まっさきにターゲットにしただろう。
(でも、この方は追いかけたところで意味がなさそうね)
部屋に到着した後、お礼を言うとともに微笑みかけてみたものの、バルデマーはまるで脈がなかった。おそらくは誰か心に決めた人間がいるのだろう。こういうタイプにはなにをしても無駄なので、ロゼッタは最初から手を出さないことに決めている。
王城に着くと、文官が一行を出迎えてくれた。ロゼッタと同じ年頃の、若く美しい男性だ。
落ち着いた雰囲気、きちっとした着こなしなど、どことなくライノアに似ている。けれど、こちらの男性のほうが洒落っ気があるし、目に野心が宿っている。将来大物になるタイプだとロゼッタは感じた。
「担当文官のバルデマーと申します。長旅でお疲れでしょう? 滞在期間中にお過ごしいただくお部屋にご案内させていただきます」
バルデマーはセリーナやクローヴィスと談笑しながら、城内を案内してくれた。明るく社交的なことに加え、王子様のようなルックス。バルデマーは仕事ができるし、モテるに違いない。ほんの数分のうちに、ロゼッタは自分の直感が正しかったことを確信する。もしも彼が外国人でなければ、その将来性を買って、まっさきにターゲットにしただろう。
(でも、この方は追いかけたところで意味がなさそうね)
部屋に到着した後、お礼を言うとともに微笑みかけてみたものの、バルデマーはまるで脈がなかった。おそらくは誰か心に決めた人間がいるのだろう。こういうタイプにはなにをしても無駄なので、ロゼッタは最初から手を出さないことに決めている。



