「ロゼッタ嬢にリラックスしてもらえたみたいで嬉しいよ。変に身構えられると悲しいし、疲れてしまうよ。隣国は決して近くないのだから」

「そういうことでしたの……」


 ロゼッタはセリーナとクローヴィスとを見比べつつ、そっと肩をすくめた。


「まあ、さすがに全行程俺たちと一緒じゃロゼッタ嬢が気の毒だから、適度に解放してあげるよ」

「本当ですか?」

「ああ、そちらのほうがポイントが高くなりそうだし、俺も鬼じゃないからね」


 クローヴィスが言う。ロゼッタは小さくガッツポーズを浮かべた。


「とはいえ、この旅でもう少し俺のことを知ってほしいし、好きになってもらいたいと思っているのは本当だよ」