「わたくし、殿下と同じ馬車に乗りたくはありませんの。だって、そんなことをしたらわたくしが殿下の妃候補というような、要らぬ噂が立ってしまうじゃありませんか」
「それが目的だからな」
「なっ……」
クローヴィスが微笑む。まったく悪びれる素振りが見えないことに、ロゼッタは苛立ちを抑えられなかった。
「困ります。わたくしの婚活に差し障りますわ」
「そんなの今すぐ止めて、俺にしとけばいいだろう?」
「だからそれが……」
嫌なのだと言いかけて、ロゼッタは唇を尖らせる。一応クローヴィスとの結婚も『考える』と言った以上、端から拒否するわけにはいかない。
「俺との結婚が王命じゃないだけマシだと思ってよ。ほら、俺が馬車に乗らなきゃ他のみんなが困るだろう?」
「……わかりましたわ」
これ以上抵抗しても無駄だろう。ロゼッタはクローヴィスに促されるまま馬車に乗る。
「それが目的だからな」
「なっ……」
クローヴィスが微笑む。まったく悪びれる素振りが見えないことに、ロゼッタは苛立ちを抑えられなかった。
「困ります。わたくしの婚活に差し障りますわ」
「そんなの今すぐ止めて、俺にしとけばいいだろう?」
「だからそれが……」
嫌なのだと言いかけて、ロゼッタは唇を尖らせる。一応クローヴィスとの結婚も『考える』と言った以上、端から拒否するわけにはいかない。
「俺との結婚が王命じゃないだけマシだと思ってよ。ほら、俺が馬車に乗らなきゃ他のみんなが困るだろう?」
「……わかりましたわ」
これ以上抵抗しても無駄だろう。ロゼッタはクローヴィスに促されるまま馬車に乗る。



