婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!

「でしたら、適任者はもっと他にいるはずです。わたくしは文官と違って、お二人が任された公務の内容をよくわかっておりませんから、道中で打ち合わせをすることもできません。時間は有効に活用すべきでしょう?」

「問題ない。公務の打ち合わせは既に済ませてあるし、ロゼッタ嬢の言うとおり、時間は最大限有効に活用したい。だからこそ、君に同乗を求めているんだ」

「……その心は?」

「もちろん、ロゼッタ嬢を口説きたいからだ」


 クローヴィスが言う。たまらず、ロゼッタの頬が紅く染まった。


(どうして殿下はわたくしにこだわるのかしら?)


 熱すぎる眼差しから目を背けつつ、ロゼッタは眉間にシワを寄せる。
 己の美貌に対する自信はあるし、金持ちを捕まえるために涙ぐましい努力をしてきた自負もある。けれど、その価値観――お金至上主義――は世間的に見て決して褒められたものではないとわかっているし、少なくとも妃候補に向いているとは思えない。本性を知られているのだからなおさらだ。


「クローヴィス殿下を相手に遠回しにお話していても埒が明きません。とことん本音で話させていただきますわ」

「もちろん、大歓迎だ」