「ロゼッタ嬢らしいです。わかりました……でしたらありがたくいただきます」
「ええ、そうしてちょうだい」
ロゼッタはそう言って満足気に微笑む。ライノアがそっと目を細めた。
「王太子殿下から聞きました。しばらく隣国へ行かれるそうですね」
「そうなの。ご希望なら、お土産を買ってきてあげますわよ?」
「いえ、別に」
「差し上げると言っているの! 素直に受け取ってくれればいいでしょう?」
またもやムッとしてしまったロゼッタに、ライノアはクスクスと笑い声を上げる。
「ロゼッタ嬢はお金が何より大事なのに、誰かのために使うことを躊躇しないんですね」
「あら、お金は誰かのために使ってこそ美しく輝くものです。もちろん、自分のために使うことも惜しみませんし、わたくしは守銭奴ではないのですわ。そもそも、たくさん使いたいからこそ、それが可能となる裕福な男性を探しているわけで」
「なるほど。そういう価値観なんですね」
ロゼッタは「ええ」と返事をしつつ、はにかむように笑う。ライノアに自分という人間を少しだけ理解してもらえたようで、嬉しく感じた。
「それじゃあ、道中気を付けて」
「ええ。お土産、ちゃんと期待していてくださいね」
ロゼッタはそう言ってライノアに手を振る。それから軽い足取りで自分の部屋へと戻るのだった。
「ええ、そうしてちょうだい」
ロゼッタはそう言って満足気に微笑む。ライノアがそっと目を細めた。
「王太子殿下から聞きました。しばらく隣国へ行かれるそうですね」
「そうなの。ご希望なら、お土産を買ってきてあげますわよ?」
「いえ、別に」
「差し上げると言っているの! 素直に受け取ってくれればいいでしょう?」
またもやムッとしてしまったロゼッタに、ライノアはクスクスと笑い声を上げる。
「ロゼッタ嬢はお金が何より大事なのに、誰かのために使うことを躊躇しないんですね」
「あら、お金は誰かのために使ってこそ美しく輝くものです。もちろん、自分のために使うことも惜しみませんし、わたくしは守銭奴ではないのですわ。そもそも、たくさん使いたいからこそ、それが可能となる裕福な男性を探しているわけで」
「なるほど。そういう価値観なんですね」
ロゼッタは「ええ」と返事をしつつ、はにかむように笑う。ライノアに自分という人間を少しだけ理解してもらえたようで、嬉しく感じた。
「それじゃあ、道中気を付けて」
「ええ。お土産、ちゃんと期待していてくださいね」
ロゼッタはそう言ってライノアに手を振る。それから軽い足取りで自分の部屋へと戻るのだった。



