「なるほど……そういうことなのですね」

「ええ。外国での警護は普段よりも手厚い必要があるでしょう? それで、私の近衛騎士をしていたトゥバルトにお願いをすることになったってわけ。まあ、あの頃とは違って、トゥヴァルとは騎士団長なんて偉い役職に就いてしまっているけれど」

「あの頃も今も、俺はなにも変わっていませんよ」


 トゥバルトはそう言って、ニコリと微笑む。ロゼッタは思わず身を乗り出した。


(わたくしも殿下に付いていけないかしら?)


 外国に行ける機会など滅多にない。しかも、攻略対象であるトゥバルトと同行できるチャンスなんて、今後訪れないかもしれないのだ。
 そわそわしながらセリーナに目配せをすると、セリーナはロゼッタを見つめながら、そっと目を細めた。


「ロゼッタも一緒に来てくれるわよね?」

「……! わたくしも同行していいのですか?」

「ええ、もちろん。あなたが付いてきてくれたら、私も心強いわ」


 セリーナの言葉に、ロゼッタは瞳を輝かせる。