「どうかしましたか?」

「いえ、ここまで気が合わないと、かえってすごいなぁって。なんだか面白くなってきて」


 こらえきれず、ロゼッタはクスクスと笑い続ける。ライノアはくすりと笑うと「そうかもしれませんね」と目を細めた。


「あなたは、将来たくさんの人にかしずかれ、高価なものに囲まれながら生活をするのが理想なのでしょうね」

「そうですわよ? そうすればきっと、最高に幸せになれると……」

(本当に?)


 ロゼッタの口が止まる。次いで聞こえた自分自身の心の声に戸惑い、え?と首を傾げた。


「どうかしましたか?」

「いいえ、別に」


 ロゼッタは胸を押さえつつ、大きく深呼吸をする。