「なるほど……それで僕には最初から眼中になかったんですね?」
「まあ、有り体に言えばそういうことになります。紋章からキーガン家の一員だということはわかりますが、お召し物がマルクル様と数段違いましたもの。ライノアというお名前も、わたくしのリストには入っておりませんでしたし」
「リストって?」
「我が国及び周辺諸国の爵位持ち、名家の当主、及び将来の後継者、それから実業家の情報は常に頭に入れてありますの。お顔も、新聞などからできる限り収集しておりますし」
「ああ……」
一瞬「そこまでするのか」と突っ込みたくなったものの、もはや指摘する気力は残っていない。
「まあ、有り体に言えばそういうことになります。紋章からキーガン家の一員だということはわかりますが、お召し物がマルクル様と数段違いましたもの。ライノアというお名前も、わたくしのリストには入っておりませんでしたし」
「リストって?」
「我が国及び周辺諸国の爵位持ち、名家の当主、及び将来の後継者、それから実業家の情報は常に頭に入れてありますの。お顔も、新聞などからできる限り収集しておりますし」
「ああ……」
一瞬「そこまでするのか」と突っ込みたくなったものの、もはや指摘する気力は残っていない。



