欲望に負けなかっただけでなく、あんな風に本気で叱ってくれた人なんて、他に誰もいない。
「そっか。俺の説教に愛を感じてくれたなら、よかったよ」
潮風で乱れた髪を撫でながら言う。
「手が冷たくなってきちゃった⋯⋯冬も近いね」
尚は、私の手をとり、自分のジャケットのポケットに入れた。
「今年のクリスマス、一緒に過ごそうな」
「うん!」
「あと、年末年始も」
「え?帰省しなくていいの?」
「蘭を残して帰りたくないよ。それに、俺は実家までいつでも帰れる距離だし」
こんな幸せな時が、ずっと続けばいいのに――。
「何も心配するなよ」
尚は、真っ直ぐに私を見つめて言う。
「蘭にとってのお決まりの恋のパターンなんて、俺が180度変えてみせる」
「私も、もう内気なだけの自分は終わりにする。あとね⋯⋯」
「ん?」
「ありがとう⋯⋯私を好きになってくれて」
「それは、お互い様だよ。ありがとう」
「そっか。俺の説教に愛を感じてくれたなら、よかったよ」
潮風で乱れた髪を撫でながら言う。
「手が冷たくなってきちゃった⋯⋯冬も近いね」
尚は、私の手をとり、自分のジャケットのポケットに入れた。
「今年のクリスマス、一緒に過ごそうな」
「うん!」
「あと、年末年始も」
「え?帰省しなくていいの?」
「蘭を残して帰りたくないよ。それに、俺は実家までいつでも帰れる距離だし」
こんな幸せな時が、ずっと続けばいいのに――。
「何も心配するなよ」
尚は、真っ直ぐに私を見つめて言う。
「蘭にとってのお決まりの恋のパターンなんて、俺が180度変えてみせる」
「私も、もう内気なだけの自分は終わりにする。あとね⋯⋯」
「ん?」
「ありがとう⋯⋯私を好きになってくれて」
「それは、お互い様だよ。ありがとう」



