〇冒頭のヒキ・雨の日・住宅街
蓮が持つビニール傘の中に栞奈。
蓮は高身長、爽やかイケメン。顔立ちが良い。
栞菜は黒髪ロングの清楚系女子。
栞奈ナレーション『ずっと貴方のことはおとぎ話の王子様だと思っていた』
蓮が栞奈に顔を近づける。
頬を赤らめる蓮。瞳には執着が孕んでいる。
蓮「栞奈はどうして誰に対しても優しいの?」
栞奈ナレーション『今目の前にいるのは王子様ではない』 蓮「僕だけを見ていてよ。お願い」
後退る栞奈。蓮が肩を掴んで引き寄せる。
胸がどくんと高鳴る。
栞奈ナレーション『執着の獣だ』
〇昼休みの教室
栞奈の席に親友の彩夢が来る。彩夢は申し訳なさそうに笑う。彩夢はふわふわとした髪のゆるふわ系女子。天然な雰囲気。
彩夢「栞奈、申し訳ないんだけど……」
栞奈「もしかしてまた小テスト用のノートを忘れた?」
笑顔でノートを差し出す栞奈。
栞奈「コピーし終わったらすぐに返してね」
彩夢「ありがとう。助かったよぉ」
苦笑いしながら何度も頭を下げる彩夢。
近くにいた女子が話しかける。
女子生徒「また世話焼いてんの。さっすがクラスのママ」
栞奈「もぅ、ママって呼び方やめてよ」
驚いた顔で女子生徒を見る栞奈。
女子生徒「だってー、栞奈たらいつもクラスメイトの面倒見てばっかりじゃん」
女子生徒と栞奈があーだこーだ言い合っているうちに教室の入口が騒がしくなる。
入口からは蓮が入ってくる。蓮の周りにはクラスの女子たちが集まっていた。
彩夢「蓮くん、今日も女子に囲まれて大変そうだね」
女子生徒「あいつだけは栞奈ママに面倒を見てもらう必要ないよな。だって、大体のことはできちゃうじゃん」
寂しそうな目で蓮を見る栞奈。
ナレーション『東條蓮。成績優秀、学校全体を見てもトップクラスのイケメン』『まさに、みんなが思い描く王子様だ』
童話風王子様の服を着た蓮の絵。
クラスの女子から「放課後暇?」と聞かれる蓮。蓮は「ごめん、今日は予定があるんだよね」とウインクしながら呟く。クラスの女子はキャーと黄色い声をあげる。
チラりと栞奈の方を見る蓮。栞奈は目をそらす。
窓の外からはぽつぽつと雨が降り始めていた。
〇回想シーン・小学校の図書室
本棚の高い場所にある本を取ろうと何度もジャンプをする栞奈。後ろから背の高い蓮が現れて、代わりに本を取る。
蓮「はい、これが読みたかったんでしょ?」
差し出された本を俯きながら受け取る栞奈。
栞奈「あり……がとう。蓮くん、他のみんなから遊ぼうって誘われているでしょ?」
蓮「いちおう誘われてはいるけど、栞奈が心配で様子を見に来た」
栞奈「私なんかに構わなくたって良いよ」
蓮「そんなこと言ったって、俺は栞奈の母さんから面倒を見るように頼まれているんだから」
満面の笑みを浮かべた栞奈の母、千里。
千里はキリッとした目つきのキャリアウーマン。
千里「栞菜ったら、いつもおっちょこちょいだから。蓮くんが代わりに面倒を見てくれると嬉しいわ」
栞奈(そういえば、ママがあんなことを言っていたな)
目線を逸らす栞奈。
幼い栞奈と蓮を囲む二人の両親の絵。
栞菜ナレーション『私の両親と蓮の両親は昔から仲が良い。必然的に私たちも関わる機会も多かった』
足を滑らせて川に落ちそうになる栞奈(小学生)を助ける蓮の絵。犬に追いかけられて泣いている栞奈(小学生)に向かって走りよる蓮の絵。
栞奈ナレーション『昔から蓮には助けられてばっかりで、本当に申し訳ないな』
栞奈「私頑張って蓮くんみたいな、みんなに頼られる存在になる。いつも頼られてばかりじゃ申し訳ないもの」
蓮「そんなこと気にしなくて良いよ。てゆーか、栞奈がしっかりしちゃったら僕の役目、無くなっちまうじゃん」
苦笑いをする蓮。窓から光が当たって眩しい。
〇現在に戻る・昇降口
外に出るとポタポタと雨が降り始めていた。
栞奈はカバンの中を漁るが傘が見つからない。
栞奈(そういえば彩夢に傘を貸していたな)
背後から蓮が近づいてくる。
蓮「栞奈、もしかして傘忘れた?」
栞奈「う、うん……」
顔を真っ青にして周囲を確認する栞奈。
栞奈(まずい。こんな近距離で蓮と話していたらクラスの女子たちから睨まれちゃう)
蓮「よければ僕の傘使う?」
栞奈「あれ、蓮は傘二本持ってるの?」
蓮「いや、これ一本だよ」
笑顔で傘を差し出す蓮。
栞奈「だったら傘は蓮が使って。私は必要ないから」
その場から逃げ出すように走る栞奈。栞奈が雨に濡れる前に、蓮が片腕を掴み捕まえる。
蓮「待って」
蓮が栞奈の頭上に傘を差す。
蓮「じゃあ、二人で使えば良いじゃん」
ニコリと笑う蓮。周りに女子が集まってくる。
栞菜は慌てて蓮の手を引き、その場から逃げ出す。
〇住宅街・小雨が降っている
蓮が持つビニール傘の中に入る栞菜は気まずそうに俯く。少しばかり暗い表情を浮かべる蓮。
蓮「栞菜はさ、昔と比べてすっかり変わっちゃったよね」
栞菜「急にどうしたの?」
蓮を見上げる栞菜。
蓮「昔の栞菜はおっちょこちょいで、いつも僕をたよってばっかりだったじゃん。だけど今はクラスのみんなから頼りにされて人気者になっちゃったというか……」
栞菜(アンタの方が人気者じゃない)
クラスで女子に囲まれる蓮を思い出す。
心の底では呆れつつもクスクスと笑う栞菜。
栞菜「私、頑張ったんだよ。蓮が安心できるように、みんなから頼られる存在になろうって決めたの」
胸に手を当てながら頬を赤らめる栞菜。蓮は沈黙する。
栞菜(あれ、私なにかまずいことでも言ったかな?)
返答が来ないことをふしぎに思った栞菜が見上げる。
すると、蓮が熱を孕んだ瞳で見下ろしていた。
蓮「栞奈はどうして誰に対しても優しいの?」
蓮の顔が近づいてきて、耳元で囁く。
蓮「僕だけを見ていてよ。お願い」
蓮が持つビニール傘の中に栞奈。
蓮は高身長、爽やかイケメン。顔立ちが良い。
栞菜は黒髪ロングの清楚系女子。
栞奈ナレーション『ずっと貴方のことはおとぎ話の王子様だと思っていた』
蓮が栞奈に顔を近づける。
頬を赤らめる蓮。瞳には執着が孕んでいる。
蓮「栞奈はどうして誰に対しても優しいの?」
栞奈ナレーション『今目の前にいるのは王子様ではない』 蓮「僕だけを見ていてよ。お願い」
後退る栞奈。蓮が肩を掴んで引き寄せる。
胸がどくんと高鳴る。
栞奈ナレーション『執着の獣だ』
〇昼休みの教室
栞奈の席に親友の彩夢が来る。彩夢は申し訳なさそうに笑う。彩夢はふわふわとした髪のゆるふわ系女子。天然な雰囲気。
彩夢「栞奈、申し訳ないんだけど……」
栞奈「もしかしてまた小テスト用のノートを忘れた?」
笑顔でノートを差し出す栞奈。
栞奈「コピーし終わったらすぐに返してね」
彩夢「ありがとう。助かったよぉ」
苦笑いしながら何度も頭を下げる彩夢。
近くにいた女子が話しかける。
女子生徒「また世話焼いてんの。さっすがクラスのママ」
栞奈「もぅ、ママって呼び方やめてよ」
驚いた顔で女子生徒を見る栞奈。
女子生徒「だってー、栞奈たらいつもクラスメイトの面倒見てばっかりじゃん」
女子生徒と栞奈があーだこーだ言い合っているうちに教室の入口が騒がしくなる。
入口からは蓮が入ってくる。蓮の周りにはクラスの女子たちが集まっていた。
彩夢「蓮くん、今日も女子に囲まれて大変そうだね」
女子生徒「あいつだけは栞奈ママに面倒を見てもらう必要ないよな。だって、大体のことはできちゃうじゃん」
寂しそうな目で蓮を見る栞奈。
ナレーション『東條蓮。成績優秀、学校全体を見てもトップクラスのイケメン』『まさに、みんなが思い描く王子様だ』
童話風王子様の服を着た蓮の絵。
クラスの女子から「放課後暇?」と聞かれる蓮。蓮は「ごめん、今日は予定があるんだよね」とウインクしながら呟く。クラスの女子はキャーと黄色い声をあげる。
チラりと栞奈の方を見る蓮。栞奈は目をそらす。
窓の外からはぽつぽつと雨が降り始めていた。
〇回想シーン・小学校の図書室
本棚の高い場所にある本を取ろうと何度もジャンプをする栞奈。後ろから背の高い蓮が現れて、代わりに本を取る。
蓮「はい、これが読みたかったんでしょ?」
差し出された本を俯きながら受け取る栞奈。
栞奈「あり……がとう。蓮くん、他のみんなから遊ぼうって誘われているでしょ?」
蓮「いちおう誘われてはいるけど、栞奈が心配で様子を見に来た」
栞奈「私なんかに構わなくたって良いよ」
蓮「そんなこと言ったって、俺は栞奈の母さんから面倒を見るように頼まれているんだから」
満面の笑みを浮かべた栞奈の母、千里。
千里はキリッとした目つきのキャリアウーマン。
千里「栞菜ったら、いつもおっちょこちょいだから。蓮くんが代わりに面倒を見てくれると嬉しいわ」
栞奈(そういえば、ママがあんなことを言っていたな)
目線を逸らす栞奈。
幼い栞奈と蓮を囲む二人の両親の絵。
栞菜ナレーション『私の両親と蓮の両親は昔から仲が良い。必然的に私たちも関わる機会も多かった』
足を滑らせて川に落ちそうになる栞奈(小学生)を助ける蓮の絵。犬に追いかけられて泣いている栞奈(小学生)に向かって走りよる蓮の絵。
栞奈ナレーション『昔から蓮には助けられてばっかりで、本当に申し訳ないな』
栞奈「私頑張って蓮くんみたいな、みんなに頼られる存在になる。いつも頼られてばかりじゃ申し訳ないもの」
蓮「そんなこと気にしなくて良いよ。てゆーか、栞奈がしっかりしちゃったら僕の役目、無くなっちまうじゃん」
苦笑いをする蓮。窓から光が当たって眩しい。
〇現在に戻る・昇降口
外に出るとポタポタと雨が降り始めていた。
栞奈はカバンの中を漁るが傘が見つからない。
栞奈(そういえば彩夢に傘を貸していたな)
背後から蓮が近づいてくる。
蓮「栞奈、もしかして傘忘れた?」
栞奈「う、うん……」
顔を真っ青にして周囲を確認する栞奈。
栞奈(まずい。こんな近距離で蓮と話していたらクラスの女子たちから睨まれちゃう)
蓮「よければ僕の傘使う?」
栞奈「あれ、蓮は傘二本持ってるの?」
蓮「いや、これ一本だよ」
笑顔で傘を差し出す蓮。
栞奈「だったら傘は蓮が使って。私は必要ないから」
その場から逃げ出すように走る栞奈。栞奈が雨に濡れる前に、蓮が片腕を掴み捕まえる。
蓮「待って」
蓮が栞奈の頭上に傘を差す。
蓮「じゃあ、二人で使えば良いじゃん」
ニコリと笑う蓮。周りに女子が集まってくる。
栞菜は慌てて蓮の手を引き、その場から逃げ出す。
〇住宅街・小雨が降っている
蓮が持つビニール傘の中に入る栞菜は気まずそうに俯く。少しばかり暗い表情を浮かべる蓮。
蓮「栞菜はさ、昔と比べてすっかり変わっちゃったよね」
栞菜「急にどうしたの?」
蓮を見上げる栞菜。
蓮「昔の栞菜はおっちょこちょいで、いつも僕をたよってばっかりだったじゃん。だけど今はクラスのみんなから頼りにされて人気者になっちゃったというか……」
栞菜(アンタの方が人気者じゃない)
クラスで女子に囲まれる蓮を思い出す。
心の底では呆れつつもクスクスと笑う栞菜。
栞菜「私、頑張ったんだよ。蓮が安心できるように、みんなから頼られる存在になろうって決めたの」
胸に手を当てながら頬を赤らめる栞菜。蓮は沈黙する。
栞菜(あれ、私なにかまずいことでも言ったかな?)
返答が来ないことをふしぎに思った栞菜が見上げる。
すると、蓮が熱を孕んだ瞳で見下ろしていた。
蓮「栞奈はどうして誰に対しても優しいの?」
蓮の顔が近づいてきて、耳元で囁く。
蓮「僕だけを見ていてよ。お願い」
