「なんだ男いたんだ」

そう言うと二人のチャラそうな男子はチッと舌打ちをしてそそくさと去っていった

「あ、有難う…助けてくれて」

抱き寄せられているこのスタイルが気になって、私は中島くんから逃げるように腕を離した

助けてもらったのだ

一応お礼を言わねば

私は中島くんから視線を逸らすように一例だけしてその場を離れようとした

「そんなに急いで逃げなくてもいいんじゃない?」

中島くんが私の行手を阻もうとする

そしてそのままなぜか壁に追いやられた

徐々に近づいてきて、中島くんが私の顔を覗きこむ

「穂高さんは本当に自分に自覚がないんだね?」

えっ?!

自覚とはどういう?

「穂高さんの唇ってさ、キスしたくなる唇だね」


……