中島くんはなぜか私にキスをせがむ

山田君は「いい人って言われてもな…」と言って複雑そうに苦笑している

私は本当に有難うと言って笑って答えた

ホッとしたと同時に緊張して強張っていた足が振るえてしまい、私はふらついて倒れそうになってしまった

危ない

咄嗟に山田君が私を支えようとして、私達は2人でソファーに倒れ込んでしまった

うにゅっ⁈

ん?今うにゅってした?

そのうにゅっの意味に気づいたのは、わたしの上に山田君が覆い被さっていると気付いた時だ

思いがけない事故的なキスに2人とも動揺を隠せない

「ご、ごめん⁈穂高さん」

山田君は私に謝って、急いで私から体を離した

わ、私山田君とキスしちゃったの⁈

私のファーストキス⁈

「ご、ごめん。私帰る…」

ショックで居た堪れなくなった私は、気付くとその場から走り去っていた