「じゃ、じゃあもしも天と地がひっくり返って、私から中島くんにキスしたいって口に出したら、中島くんの言う事何でも聞いてあげる」

それでどう?

勢い付いて言ってしまったけど、我ながらすごい事を言ってしまったんじゃないだろうか?

へー。何でも言うこと聞いてくれるんだ

そう言って中島くんは口角を上げてニンマリ微笑んだ

「じゃあ約束ね」

その言葉忘れないでね

そう念押しで言って中島くんは楽しそうに去って行った

一体今のは何だったんだろう?

私が苦し紛れに言ったハッタリをまさか本気にとったりしてないよね?

中島くんはモテ男で同級生一のプレイボーイだ

そんな男の子が、私からキスをさせようと躍起になるわけがない

もしかして、今さっきのって何かの罰ゲーム⁈

私からかわれた?

そうだ。そうに決まってる

だとしたら本気にとって動揺することはない

私はさっきまでの出来事を罰ゲームか何かのまやかしだと思い直し、中島くんとの約束は亡き者にしようと必死に掻き消した