中島くんはなぜか私にキスをせがむ

そして最初に戻る……


「こ、怖いー。むりむりむりー!?いやー⁈」

「はいはい。諦めて行こうね」

「嫌だ。絶対嫌だ。お化け屋敷だけは嫌だー」

入りまーす。中島くんは面白そうに私の肩を強引に抱き、お化け屋敷の中に連れて行った

私のお化け屋敷嫌いの始まりは17年前…

私が3歳の時まで遡る…

あれは私が地域の子どもイベントに行って、お母さんに連れられてお化け屋敷に入った時だった…

薄暗い不気味な音がする中をお母さんに連れられて歩き、この世のものとは思えない恐怖で、私は怖くてお母さんにしがみついてギャーギャー泣き喚いた

その日以来、私にとってお化け屋敷は恐怖の対象でしかなく、同時に唯一のトラウマとなった

だから、それ以来私は何としてでもお化け屋敷だけは入る事を回避してきた

なのに…なのに…

17年ぶりに私はまたそのトラウマに直面するのか⁈

しかも相手は私にキスを迫ったキス魔の中島くん⁈

そんな私の気持ちとは裏腹に中島くんは私の肩を抱いて離さず、私を薄暗いお化け屋敷の中に連れて行った