中島くんはなぜか私にキスをせがむ

結局ワイワイバイキングのアトラクションが終わるまで、私達は手を繋ぐ羽目になってしまった

中島くんは余裕の表情でしたり顔だ
  
く、悔しい

何気にアトラクション終わったら何もなかったみたいに手離してるし…

その後もいくつかアトラクションに乗ったけど、私は中島くんに翻弄されっぱなしだった

山田君はどのアトラクションに乗っても私を気遣ってくれて優しい…

山田君とは推し活仲間で気も合うし、こんな人を好きになったら楽なんだろうなと頭では分かってる…

でも…どうしてだろう?

心が…? 

私が少しもの思いに耽ってトリップしていると…

「最後はこれだよね」

楽しそうに声を張り上げる由紀

気づけば辺りはもういい感じに暗くなっていた

由紀が指す先にあったのは、私が大大大嫌いなお化け屋敷だった

「わ、私は遠慮するよ⁈3人で行ってきて⁈」

私は全力で断った

お、お化け屋敷だけは嫌だ

「お化け屋敷はやっぱりペアで入るっていうのがデートの醍醐味でしょ⁈」

『ねー』

由紀と中島くんは語尾にハートマークをつけて嬉しそうだ

「でも穂高さん嫌がってるし…」

救世主山田くんは私が嫌がる様子を見てフォローを入れてくれている

うんうん

私が頷いて山田くんに賛同していると…

「じゃあ、俺と山田がじゃんけんするから、俺が勝ったら美桜は俺とお化け屋敷に入る…山田が勝ったらお化け屋敷は諦めるっていうのはどう?」

中島くんは突拍子もない提案をし始めた

「それいいんじゃない⁈それならどっちが勝っても恨みっこなし⁈」